◆バンキングオンラインの障害対策について
バンキングオンラインの障害対策に関して
今回の東日本大震災は、想定外の数々の事象が発生しました。
想定外の大地震、想定外の大津波、想定外の原子力発電所事故、
バンキングオンラインシステムを構築する場合でも
ある条件を想定してシステム障害対策を策定し、
そのためのバックアップシステムを構築しています。
そこで、バンキングオンラインシステムの障害対策の
概要をサマリーしておきたいと思います。
バンキングオンラインの障害発生原因は、随所に存在します。
人為的なもの、自然災害によるもの、ハード等の自然劣化
によるもの等です。
内的な原因、外的な要因と様々です。
この中から、わかりやすい原因と対策をリストアップ
してみたいと思います。
●コンピュータ本体の障害対策
コンピュータシステムは、コンピューターシステムの
ハードとソフトにより運用されています。
従って、ハード、ソフト共に二系統化システムとなっており、
全面的な障害に発展させないようなシステム構成としていること。
わかりやすく説明すれば、具体的な例としては、コンピュータを
三セット準備し、常時は、二台のコンピューターを二系統で
稼動させると同時に、三台目を待機させます。
ホットスタンバイという状態で待機させます。
いつでも即時にバックアップできる状態で待機させて
おくことをホットスタンバイといいます。
これにより、オンラインのシステム障害時間を
いかに短縮するかを考えてのシステム構成となっています。
ハードに関しても同様で、装置の二重化とトラブルを発生を
極小化するための事前メンテナンスの実施。
障害が発生した場合の即時に代替装置への切り替え装置。
ソフトがバグ等の原因で、異常処理になった場合でも、
一部の機能を停止させ、全体の障害にならないように、
部分切り離しの機能の装備。
システム全体が異常終了した場合には、再スタートさせる
クイックリスタートの機能。
等々とコンピュータシステムそのものの安全運用の方式が
組み込まれています。
更には、コンピュータを設置しているセンターそのものにも
障害の発生の可能性が多くあります。
●コンピューターセンターの障害対策。
コンピューターセンターに関しては、先ずは立地条件が
重要な要素となります。
大地震が発生しにくい場所を選定すること。
例え、大地震が発生した場合でも岩盤の強固な場所を選定すること。
場所的にも、近隣環境の影響を受けにくい場所に十分な土地を
確保しておくこと。
電源、通信設備の確保が十分な場所を選定すること等々と
コンピューターセンター設置場所の選定には十分な配慮が必要です。
コンピュータを正常に稼動させるためには、各種の設備が必要です。
これらの設備に関しても二重化やバックアップ設備が必要です。
もっとも重要なのが、電源であり、通信回線設備です。
電源に関しては、電力会社からの引き込みルートのニルート化と
自家発電装置の設置等での電源バックアップ体制の整備。
自家発電のための燃料に関しても、何時間、何日間
稼動させるかにより燃料の備蓄タンクの装備しています。
通信回線も同様に、二ルート化とバックアップ回線の導入等々。
この他にも、空調設備、コンピュータ設置のフロアーの免震設備。
ともかく、想定可能なバックアップ対策は万全とします。
また、万が一にも、コンピュータセンターの被災した場合でも、
代替できるバックアップセンターも準備しておく必要があります。
●システム開発、運用のための要員確保
次に問題になるのは、要員の確保です。
震災が発生すると交通機関が停止してしまいます。
道路や橋が破壊されて、車の利用も困難になるケースもありえます。
要員が確保できなくて、バンキングオンラインの運用が
不可能になってしまっては困ります。
バンキングオンラインセンターは、二十四時間稼動ですので、
震災発生時には、運用要員はセンター内に確保されています。
建築構造物は、大地震に耐えられるだけの設計ですので、
人命にかかわる事故は発生しないはずです。
しかし、交代要員が出勤できないとなると交代なしで運用を
続けなくてはなりません。
また、システム障害が発生した場合の開発・メンテナンス体制も
配慮の必要があります。
当然、センター内には、食堂が設置されているので、
食料品の備蓄も必要です。
交通機関等のトラブルにより、出勤できない場合を想定して、
必要要員の居住地の配慮も行う必要もあります。
要するに、想定される非常事態に対するバックアップ体制を
準備しておくことが必要なのです。
以上の様に、バンキングオンラインの障害対策は、
想定した範囲では、問題ないはずです。
想定外のことが起こらないことを祈るしかありませんが・・。
ところで、蛇足ながら、今回の東電福島原発の事故に関しての、
個人的な感想を記録しておきたいと思います。
●東電福島原子力発電所の事故処理について
まだまだ、事態が安定した方向に確実には向かっていません。
事故処理関わっていらっしゃる関係各位には、
本当に、ご苦労さんと言いたいと思います。
二度と稼動することはないであろう原子力発電所の制圧のために、
放射能を浴びながら作業するという危険な作業をせざるを
得ないのですから・・・。
それにしても、結果論ですが、今回の事故は、ある意味では、
人災のような気がしないでもありません。
基本的なバックアップ体制の不備と思われるからです。
原子炉の設置場所が、海水での冷却のために海岸線に
設置せざるを得ないという悪条件化の建設です。
そのためのバックアップ設備に数多くの落とし穴があったように
思われます。
大津波が想定外とはいいながら、電源のニルート化、
通信回線のニルート化、自家発電装置の設置場所、
等は果たして万全だったのでしょうか。
災害に対してのバックアップ投資が十分に行われていなかった
のではないでしょうか。
一時的な、出費を抑制したために今回のような大事故に
発生し、この事故収拾の費用は超膨大なものとなっています。
避難住民への保障、農業、水産業への保障、その他の
風評被害に対する保障。
どこまで保障するかは、今後の問題ですが、
おそらく、集団訴訟も起こされることになり、
このための裁判費用・・・・・
一企業では、耐えられない額の費用の発生が予想されます。
しかも、原子炉の制圧には何年もの期間が必要となります。
ロシアのチェルノブイ発電所では、現在でも、制圧のために
数多くの人が働いています。
封印したコンクリート壁の劣化のために封印のための
コンクリート壁の再処理も必要とのことです。
一度、事故を起こした原子力発電所は、長期間近隣に居住する
こともできません。
放射能の発散を制圧するために、何十年間も制圧のための
費用が発生しつづきます。
原子力発電のコストがトータルとして、いかに大きいもので
あったかをはじめて知りました。
原子力発電は、安全で、発電コストも安価という神話は、
崩壊してしまいました。
今後の代替エネルギー開発への日本人の底力を発揮したいものです。
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